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そうすべきなのは百も承知ですが、お慰めする、という事がわたくしにはよく分かりません。
一体、わたくしは旦那様の為に何をすればよろしいのでしょう。
お風呂から上がったわたくしを、旦那さまは寝間で待っておられました。
「おたえに綺麗にしてもらった様だね。さ、こちらにおいで」
まだ濡れそぼった気のする体を揺すぶりながら、わたくしは言われた通りにいたしました。
布団に寝そべった旦那さまが、わたくしのしなやかな体を抱き寄せて、その中に引き入れます。
何をなさるのだろうかとどぎまぎするわたくしの体を、旦那さまはすっぽり腕で包んでおしまいになりました。
「お前の体は、本当に柔らかくて、温かくて心地がいいねえ」
うっとりと呟かれると、そのまま穏やかな寝息を立てて、眠ってしまわれたのです。
何だか、わたくしが想像していたこの家でのお仕事とは、大分違うようです。
それでも。
旦那さまが安心してお眠りになるのを見れば、わたくしもこうしている甲斐があるというものです。
触れあった肌と肌を通して伝わる旦那さまのぬくもりの心地よさに、いつしかわたくしも眠りに落ちてしまいました。
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