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(♦︎:華澄視点、♢麗花視点) ♦︎・♦︎・♦︎  カーテンの隙間から覗く夜の空の色は1日が終わろうとする合図。  夜は嫌いだ。  暗い空の色、空気もすべて、重くて暗くて、嫌に静かで………考えたくもないことを、考えてしまうから。  布団に潜る。さっさと眠ってしまえればいいのに、頭の中ではぐるぐると、嫌な記憶が渦巻く。  学校でした、ちょっとした失敗とか。    あの時こうしてれば、こう言っていれば。そういう、小さな後悔とか。  ___思い出したくない、過去の出来事とか。  「………………っ、ぅ、」    吐きそうになって、口元をきつく押さえる。嫌な汗が背中を伝い、酷く気分が悪かった。いつものことなのに、毎度体が震えた。  もぞもぞと体を動かして、枕元に手を伸ばす。  小さな薬瓶。そこから、音を立てないようにしながら手のひらに錠剤を転がす。個数なんて確認せずに口に放り込んで、ラムネを食べるみたいに噛んだ。  口の中に広がる苦み。不味いのに、ちょっと気持ちが落ち着くような気がして、それがさらに、私の心をざらつかせた。  夜が嫌い。  嫌な現実から逃げきれない、夜が嫌い。  何よりも、そんなことを思ってしまう自分が、大嫌い。  布団を頭まですっぽりと被る。  ちょっとした息苦しさが、どうしてか心地よかった。    このまま、呼吸がとまってしまえばいい。  明日なんてこなければいい。    歪んだ願いをかけているうちに、意識が眠気の奥に沈んでいった。                             
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