卵とハンマー

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しばらくサルガッソー氏は流れ出る液体を眺めていたが、ハンマーを研究員に返して言った。 「ところで、いやにあっさりと契約の破棄と50万ドルもの返金を認めたが・・・もしかしたら、クローンなんて存在しないんじゃないのか?親父はこの世にはいない。家族にも黙っていた。会計監査をしなければクローンのことはわからなかったはずだ。もし、バレてもほとんどの家族が契約を破棄するとわかっていて、親父を騙して・・・」 その時、息子が父親の腕を引いて、割れた卵を指差した。 割れ目にピンク色の肉片が見えた。 その先端には、小さい5本の指があった。 〜終〜
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