(一)

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 とはいえ愛希子は郁美ともうずいぶん直接会っておらず、事情も全然知らなかったし、想像もできなかった。  実家にたどり着いた愛希子は玄関のドアを開けて中に入った。靴を脱ぎ玄関を上がり、廊下を進み、ダイニングに入った。  ダイニングにはまだ灯りがついていた。というのもすでに十時を過ぎていたにもかかわらず、母親の佐野緒華がまだ起きており、テレビを見ていたからだった。 「ただいま」 「あら、お帰り。久しぶりじゃない。今日はどうしたの?」  緒華はソファで横になったまま、愛希子の方を向いていった。 「同窓会があるのよ」 (続く)
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