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「それならそうと事前に連絡を寄越しなさいよ。お父さん、もう寝ちゃったわよ」
「同窓会に出るだけだから」
「いつあるの?」
母親がソファから体を起こしながら愛希子に尋ねた。
「明日の夜」
「そう。何か食べる?」
「うん。軽く何か作ってくれるとうれしい」
母親は立ち上がるとダイニングからキッチンへと入っていった。
「ところで、いくちゃんちって……」
母親の代わりに愛希子がソファに腰掛けながらそう切り出した。
「ああ、郁美ちゃんの家ね」
緒華が娘の声を途中で遮った。母親もそのことを話したかったのだろうと愛希子は察した。
(続く)
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