(二)

3/14
前へ
/25ページ
次へ
 このとき愛希子も郁美に声を掛けて話をした。しかし、今何をしているかなどはあまり教えてくれなかった。とはいえ、愛希子は郁美に実家のことを尋ねてみると、これについては答えてくれた。 「実は母親が昨年末に亡くなったの。それで遺産を相続することになったんだけど、もう住まないから手放すことにしたのよ。誰かに住んでもらえればいいかなと思ってね。そのまま売りに出したの」  郁美はそう教えてくれた。一体何があったのか心配したが、とりあえず、事情がわかって愛希子は安心した。 (続く)
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

950人が本棚に入れています
本棚に追加