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僕はコンビの再結成を一人で誓う
僕の名は真咲新吾。中学二年生だ。
両親が公務員というやや堅めの家に生まれ、優秀な兄と芸術家肌の妹に挟まれて育ったごく普通の中学生だ。
僕の趣味はビデオカメラで映画を撮る事で、将来の夢は映像クリエーターだ。
そんな僕が謎めいた美少女、七森杏沙と知り合ったのは四か月前のことだ。
僕と杏沙はちょっとした偶然から、SF小説の世界でしか起こらないような大事件に巻き込まれたのだ。
それは突然、この街に現れた「侵略者」と戦う(ほとんどは逃げてばかりだったが)という映画の中でも滅多にお目にかかれないような大冒険だった。
結果から言うと侵略者たちの計画は失敗に終わり、僕らはまたそれぞれの日常に帰ってゆくこととなったのだが……
どういうわけかその後も僕と杏沙は別の侵略者と戦う羽目になったり、互いの学校に行かざるを得ない状況になったりして奇妙な縁が続いている。
杏沙をぜひとも自作映画のヒロイン迎えたい僕としては、たとえ事件が起こったとしても杏沙と会えるのはわくわくする時間だった。
だけど――
今回は冒険と言うより試練と言った方が良いほど、辛い再会になってしまった。
杏沙の父親は七森博士という科学者で、過去「侵略者」との戦いの際にも僕らに勝つための知恵をいくつも授けてくれた。
また、七森博士の助手で五瀬さんという男性、その後輩の四家さんという女性も僕らを何かにつけサポートしてくれた。
でも、今回のアクシデントは七森博士の研究が大きくかかわっているという。
相手が侵略者なら怒りと正義感で行動することができたが、今回はただひたすら杏沙の居場所を探すだけという希望の見えない戦いなのだった。
――必要なら幽霊になってでも、探しに行くぞ七森。僕らは二人で一人の侵略者バスターだ。勝手にコンビを解消したりしたら許さないからな。
僕は隣で「心」の帰りを待っている杏沙の横顔を見ながら、どこにいるのかわからない杏沙の意識に向かって語りかけた。
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