1.アリバイ作り

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 あくまで、芽衣の中でのイメージではあるけど、そんな二匹の行動を人間のカップルに当てはめると、おかしさがこみ上げてきて、頬が緩んだ。 (見つめ合って、横歩き!? 日南さんと彼氏が? ハハハ) 「なんか、ニヤニヤしてますけど、ちゃんと聞いていましたか?」 「……あ、いや……はい。聞いてましたよ」  フラグは、服の詰まった袋の持ち手を芽衣の方に向けてきた。 「じゃあ、そういうことだから、明日から早速、これ着てくださいね」  芽衣は、袋を受け取りつつも、状況をよく、わかっていない。 「これ、どういうことでしたっけ? なんで、これを着なきゃいけないんでしたっけ?」 「あれ、やっぱり聞いてなかったの? まったく、もう……」  ポリポリと頭を掻いたフラグだったが、もう一度、説明をしてくれた。  この服を着た女性が、アリバイの欲しい当日、終電まで、一人で、とあるバーで飲んでいたことが、複数のカメラに映っているという。  その女性とすり替わって、芽衣が、そのバーで飲んでいたということにするらしい。
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