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幸いなことに、私服警官は見逃してくれた。もう一度、聴きにくることがあるかもしれないので、その時は、ちゃんと答えられるように、思い出しておいてくださいとだけ念押しして――
不意にフラグに頭を撫でられた。
「いえいえ、これくらいのことは、アリバイ屋を名乗るなら当たり前のことです。偽装するなら、絶対にバレてもらったら困りますから。がんばって、ウソのアリバイを突き通してくださいね」
芽衣は、なぜアリバイを作らないといけなくなったのか、フラグには伝えていない。
それでも、フラグは快く仕事を引き受けてくれたし、詮索もしてこなかった。
そんな姿勢にプロ意識を感じていたけど、それだけじゃないのかもしれない。
だって、なぜ、今、頭を撫でられているか、ぜんぜん、わからない。
ひょっとしたら、いかほどか芽衣に気があって、特別扱いをしてくれているのかもしれない。
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