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隆哉は、スタートアップ企業を起こしていて、「今が上手くいくかどうかの瀬戸際なんだよ」が、口癖だった。
だから、土日でも祝日でも働いていて、こうして会えるのはたまにしかない。寂しいけど、我慢していれば、その分、会えた時が嬉しいし、ベンチャーの社長と付き合う女の宿命だと、自分に言い聞かせてきた。
でも、”ユナ”から届いたメッセージは、心の中でずっと信じてきたものを崩壊させた。
『明日は、朝、10時にいつものとこだったよね? 楽しみだな……』
芽衣は、その場では、それ以上追及することはせず、ユナからのメッセージを読んだことも伏せておいた。
次の日、こっそり隆哉をつけると、女と会っていた。芽衣は、仕事だと聞いていたのに。
芽衣とデートしている時よりも、ずいぶんと隆哉は楽しそうにしている。きっと、この女がユナなのだろう。
その日から、いろんなことがわかった。
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