1.アリバイ作り

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 打撃系はもちろん、関節技もすっかり覚えた。  前回から指導が始まった護身術に至っては、実際に痴漢に襲われても、撃退する自信すら持てるようになっている。 「いや、いいんだよ。もう、いらなくなったんだ」 「え? どういうことですか」 「打ち切りが決まったんだよ、その企画。ビューアーが増えないんだって」  体を動かすことでストレス解消にもなっていたし、気に入っていた企画だっただけに、ショックだった。何を根拠にそう思ったのかは忘れてしまったけど、勝手に、ずっと人気企画だと思い込んでいた。  いや、実際、連載開始当初は、人気企画だったはずである。 「う……うそでしょ!?」  運動音痴で、非力の芽衣が、弱音を吐きながらも、過激なミッションに果敢に向かっていく姿勢が話題になり、記事には、芽衣を応援するコメントが溢れていた。  どれだけ時間がかかっても、諦めずに、最後までやり遂げて見せた笑顔の写真には、何千もの”いいね”がついた。
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