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打撃系はもちろん、関節技もすっかり覚えた。
前回から指導が始まった護身術に至っては、実際に痴漢に襲われても、撃退する自信すら持てるようになっている。
「いや、いいんだよ。もう、いらなくなったんだ」
「え? どういうことですか」
「打ち切りが決まったんだよ、その企画。ビューアーが増えないんだって」
体を動かすことでストレス解消にもなっていたし、気に入っていた企画だっただけに、ショックだった。何を根拠にそう思ったのかは忘れてしまったけど、勝手に、ずっと人気企画だと思い込んでいた。
いや、実際、連載開始当初は、人気企画だったはずである。
「う……うそでしょ!?」
運動音痴で、非力の芽衣が、弱音を吐きながらも、過激なミッションに果敢に向かっていく姿勢が話題になり、記事には、芽衣を応援するコメントが溢れていた。
どれだけ時間がかかっても、諦めずに、最後までやり遂げて見せた笑顔の写真には、何千もの”いいね”がついた。
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