16人が本棚に入れています
本棚に追加
目撃者の情報では、逃げたのは、中国語を話す若い男ら、三名。なにやら、ヤクザ風の男と言い争いをしていたというから、おそらく坂下とトラブルになったのであろう。
南署は、御堂筋に停車中の白いベンツに二真会の紋章が貼ってあるのを発見し、運転席にいた男に事情を訊いた。
男は、高柳と名乗った。
はじめは反抗的な態度を取り、全く会話にならなかったが、南署の刑事から坂下が殺害されたことを聞かされると、高柳は動揺を隠そうともせず、ひどく取り乱した。
聞くところによると、高柳は、坂下の舎弟で、ここまで坂下を送り届けたという。
ここで待つように言われたが、坂下が、アメリカ村で何をしていたのかは聞かされていなかった。
当然、殺人事件に関しても、何も心当たりが無いという。
最初のコメントを投稿しよう!