1.アリバイ作り

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 何か説明を受けたけど、芽衣はさっぱり頭に入って来ない。さっきのフラグの発言が、頭から離れないでいた。 「さっき言われたこと、どういう意味ですか? 動物みたいだって? ……バカにしてるんですか?」 「いやいや、バカになんかしてないよ。ボクにだって、誰にだって本能は備わっているんだ」 「……でも、それを出すかどうかは、別ってことなんでしょ……。本能のままに生きる人間は、知的レベルが低いとでも言いたいんですか?」 「いやいや、そんなことは、ぜんぜん言ってないよ」  芽衣は、アリバイ作りに悩んでいた時期があった。  相談したのは、席を並べて隣で働く、先輩の柴田日南(ひなみ)だった。  日南は、すぐにカバンから名刺を出し、相談してみるといいよと、フラグを紹介してくれた。 ――見た目は怪しいけど、仕事は完璧にこなしてくれる人だから、安心して頼んだらいいよ。ただし、ちょっと変わった性格だから、そこらへんは、我慢して付き合う必要があるけどね――
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