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何か説明を受けたけど、芽衣はさっぱり頭に入って来ない。さっきのフラグの発言が、頭から離れないでいた。
「さっき言われたこと、どういう意味ですか? 動物みたいだって? ……バカにしてるんですか?」
「いやいや、バカになんかしてないよ。ボクにだって、誰にだって本能は備わっているんだ」
「……でも、それを出すかどうかは、別ってことなんでしょ……。本能のままに生きる人間は、知的レベルが低いとでも言いたいんですか?」
「いやいや、そんなことは、ぜんぜん言ってないよ」
芽衣は、アリバイ作りに悩んでいた時期があった。
相談したのは、席を並べて隣で働く、先輩の柴田日南だった。
日南は、すぐにカバンから名刺を出し、相談してみるといいよと、フラグを紹介してくれた。
――見た目は怪しいけど、仕事は完璧にこなしてくれる人だから、安心して頼んだらいいよ。ただし、ちょっと変わった性格だから、そこらへんは、我慢して付き合う必要があるけどね――
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