20人が本棚に入れています
本棚に追加
3.(1)ドラゴン ――龍――
『創世記』によれば、一番初めに生まれた人類がドラゴンです。
”人類の長兄”と呼ばれる龍は、強靭な身体を持ち、聡明な知性と深い思慮を兼ね備えた、非常に霊性の高い種族です。
実際、彼らは神々に最も近い種族で、潜在的には聖霊にも比肩する能力を秘めており、魔術や神々についても理解し尽くしています。
寿命も桁外れに永く、天寿があるのか否かもはっきりしません。
ドラゴンの外見は、普段は人間とほぼ同じです。
彼らがいわゆる龍の姿を見せるのは、“龍気”をまとった時のみです。
“龍気”というのはエクトプラズムの一種で、ドラゴンだけが持っています。
彼らが発散した龍気が物質化(疑似蛋白・骨質化)して彼らを取り巻くと、ファンタジーお馴染みのドラゴンの姿になります。
この時にはドラゴンは体高十メートル前後という巨躯と翼を持ち、飛翔能力を発揮します。
またドラゴン特有の体色と呼気も、この時にはっきりと解ります(めったに使いません。白銀時代でも、まだ使ったシーンはありません)。
その時以外は、ドラゴンは人間と全く同じ姿をしており、色を基本とする部族も判別できません。
身体的特徴も一定していませんが、彼らの容姿は総じて佳いようです。
社会的には、彼らは明確な国家を営みません。
絶対数が極端に少ないドラゴンたちは、人間の生活圏から隔絶された場所に小規模な集落を造り、一族で住んでいますが、中には人間の社会の中で、都市国家を治めている一族もいる様です。
その意味では、彼らの国家はマルタのような概念的国家と呼べるかも知れません。
しかし部族間の交流は極めて密で、神々との交感も他の人類からは想像も出来ないほど緊密です。
彼らの国家は基本的に合議制ですが、ゴールドドラゴンの長がドラゴン全体を取りまとめています。
言語に関しても、彼ら独自の言語を持っています。
アールヴの使うルーン古語の祖型である神聖ルーン古語がそれですが、人間そのほかの人類が使う言語についても知り抜いています。
彼らドラゴンは、龍気の姿から十の部族に分かれます。
ゴールドドラゴン、シルバードラゴン、コッパードラゴン、パールドラゴン、オブシダンドラゴンは”貴龍”と呼ばれ、政治的・宗教的な役割を持っています。
一方、レッドドラゴン、ホワイトドラゴン、グリーンドラゴン、ブルードラゴン、ブラックドラゴンは”庶龍”と呼ばれ、特別な地位にはありません。
だからと言って、金竜たちが特権階級に属しているということにはなりません(ただ、そう思っていないドラゴンもいますが)。
参考までに、彼ら人類としての龍は、モンスターとして現われる竜とは全く異なります。
生物学的には同じ進化の樹形図上の存在とみなされますが、それこそホモ=サピエンスと原猿類ほどの差があります。
そういう怪物ないし動物としての竜は、厳密には“ドレイク”と呼ばれます。
次項から各色のドラゴンと、主なキャラクタ、登場(予定)作品を記載します。
最初のコメントを投稿しよう!