3.(1)ドラゴン ――龍――

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・コッパードラゴン(赤銅龍)  ”貴龍(ノビレス)”として付かず離れずゴールドドラゴンの相談役を務めつつ、陰では密かにドラゴンの宗主の地位を狙っている……、そんな一族がコッパードラゴンです。  しっとりとした赤銅色の鱗と、殻の様な強靱な翼のある龍気を備えています。  呼気(ブレス)は衝撃波です。  ゴールドドラゴンが主な拠点を南大陸に置いているのに対し、コッパードラゴンの本拠はシルバードラゴンと同じく東大陸にあります。  ただし、シルバードラゴンの本拠が平野部を占めるのに対し、コッパードラゴンの最大にして古来の城塞は、広大な砂漠(アジ・ダハリ大砂海と呼ばれます)の上空を漂う巨大な島に造営されています。  技術と魔術の混淆した技法によって、地上数百メートルの高度を浮遊している島ですが、月に一度、あるオアシスの附近に降りてきてバザールを庇護しています。  コッパードラゴンは、表面的にはいつも穏やかで寡黙です。  表情も、微笑と呼ぶには少々無表情で、大抵は気怠るげな顔をしています。  しかし彼らは知謀に長けた一族で、邪悪とまではいきませんが、野心的かつ打算的です。  好奇心も旺盛で、色々な国を巡る旅人や商人が彼らの本拠を訪れたときは、特に手厚いもてなしを受けられるでしょう。  それが旅人たちが持つ経験談や珍奇な品物を当て込んでのことなのは、もちろんです。  端的に表現すれば、ゴールドドラゴンはおおむね明朗で、シルバードラゴンは直情的、対するコッパードラゴンは微笑の腹黒、といったところでしょう。  彼らは一癖も二癖もある、なかなか本心の見えないドラゴンです。 【主要人物】 ”銅龍太守”バハムート(『書記メルローチェとふたごの龍(予定)』) ”銅龍宰相”ロスタム(『書記メルローチェとふたごの龍(予定)』)
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