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あたしとシェリル様の間に割って入ったのは優しいおばあちゃん……じゃなくてシェリル様と同じゴーストでメイド長のドロシーさんだった。
「カテリーナ姫がどんな事をしてるか教えるけど、意地悪な事をしないって約束しましたでしょ?」
ドロシーさんは、わざとらしく首を傾げ微笑んでいるけど目が笑っていない。
「だってドロシー?鬼姫はともかくメギツネなんかにダンスを教えたら絶対にアルヴェル様に取り入ろうとするでしょ?そんなの絶対イヤなの!」
「イヤなの!じゃなくて……私らゴーストになってから百年は経ってるのよ?今さらそんなお嬢さんなんて放っときなさいって。」
「だって!私が知ってるダンスは五十年も前のダンスなのよ……ただでさえ直接触れることが出来ないと言うのに……他の女がアルヴェル様とダンスを踊るのを黙って見てろって言うの?」
「シェリル!!」
ドロシーさんは突然大声をあげた。
「貴女が知っているアルヴェル様はそんな事くらいで貴女を蔑ろにする方ですか?違うでしょ!」
ドロシーさんは腕組みをして、シェリル様を諭すと言うよりも完全に叱っている。
「……」
「それに古いダンスしか知らないから、鬼姫ちゃん達のついでに教えてもらいましょうって言ったでしょう?何でそんな意地悪な事を言うの?貴女はアルヴェル様の最初の王妃様なのよ?」
「……ごめんなさい。」
何か、この風景見たことある。
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