身代わり花嫁

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「もう入って来て良いですぞ!」 ヒゲの老人が反対側にあった両開きの扉に向かって声をかけ、扉からは古代ローマみたいな西洋風の鎧兜に身を固めた数人の男たちがわらわらと入ってくる。 「おおっ!そっくりですな!」 「これはカテリーナ姫と偽っても切り抜けられそうじゃ。」 「まさに星により選ばれた女と言ってよいでしょう!」 何だかあたしそっちのけで、男たちは盛り上がっていた。 幸いにも、彼らが話しているのはあたしにも分かる北欧訛りの英語に近くて、言ってることは大体分かるんだけど単純に話が見えない。 「申し遅れました。ワシはスヴァール王国の宮廷魔導師、ナボコフと申します。お嬢様にはカテリーナ姫として来月に執り行われる結婚式の花嫁となっていただきます。」 「ええっ!?」 あたしの意思確認とかナシなの!? 「あの、あたし結婚式とか聞いてないけど。」 「今、話しましたぞ。」 まるであたしの意思など関係ないと言わんばかりだ。
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