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「元々平民で、しかも孤児だったとしても『どこに出しても恥ずかしくない姫になった』と、そう言われたでしょ?」
「……はい」
まるでハンナに諭されるわたしを見ているようだわ。だけど一体誰に言われたのだろう?
シュンと小さく縮こまり、反省の色を浮かべるシェリル様が何だか急に身近に感じられた。
「そうね……こんな意地悪してたらお姫様失格ね」
「そうですクレアに怒られますよ?」
クレア?今クレアって言った?
「カテリーナ姫、大変失礼致しました、私にダンスのレッスンを見学させて頂けませんか?」
「はい、それは構いませんが、あの、シェリル様?少々お尋ねしたい事がありまして……」
「何でしょう?私に答えられることなら良いのですが……」
「そのダンスとか……マナーってどなたに教わったのですか?」
「ああそれは、クレア・エラルドンに教わったのユークリッドの奥さまよ、元だけどね。」
「え〜っ!?」
わたしとハンナの驚きの声がハモり「少々お待ち下さい」と、慌ててハンナの所へと駆け寄る。
「え?ユークリッド様の奥さまってシスター・クレアなの?」
「分かりません、クレアって名前が一緒でも別の人かもしれませんし……」
「そうね、ちょっと確認してみましょう?」
動揺しているせいか、ヒソヒソ声では無かったのでドロシーさんが直ぐに答えを用意してくれた。
「元部下で今は孤児院の院長やってるシスター・クレア・クレメンスよ?この前話さなかったっけ?」
き、聞いてませんけど〜?
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