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「では、迎えの馬車を用意しておりますので一緒に宮殿へ──」
「嫌よっ!」
遂にあたしはブチキレた。
「あたしの意見も聞かずにさっきから何勝手に決めてんのよっ!?あたしはンな訳わかんない結婚なんかゼッタイしないからねっ!」
「困ったのぅ。」
「アンタらの都合なんか知らないわよっ!早く家に帰してよ!」
「では──掌電」
ばちばちばちっ!
「きぃやぁぁぁぁ!」
ヒゲの老人が杖を翳して何かを唱え、全身を電流と激痛が走ったあたしは動けなくなってその場に倒れた。
「どうします?この女。拷問にかけますか?」
「そうじゃな。身体に傷をつけては身代わり花嫁の役目が果たせんからのぅ──よし、水牢にでもするか。」
傍らにいた騎士らしき男に対して老人は、「今日の晩メシはアクアパッツァ」みたいなノリであっさり拷問を承認した。
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「お願いします。嫁にでも何でも行きます。だからここから出してぇ!」
両手を縛られて牢屋の天井から吊るされ、氷のように冷たい水に下半身を漬けられたあたしは、ものの2時間で音をあげた。
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