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「あの、あたしの嫁ぎ先って……魔王っ!?」
「え?知らなかったんですか?姫様の嫁ぎ先は魔王アルヴェルさまのお城ですが。」
ハンナさんは目をパチクリさせてあたしの方をまじまじと見た。
「えええええっ!?何でまた魔王なんかと?」
「この国、実は昨年魔王さまとの戦争に負けたんですよ。」
「あらまぁ……」
ハンナさんの話によると、昔から魔王がスヴァール王国の子供たちを不定期に攫っていて、これを問題視した教会が王室に十字軍の結成を要請したらしい。
王室としてもこれを放置する訳にもいかず、2000人ほどの兵を集めて魔王のお城に攻め込んだんだけどこれが惨敗。帰ってきたのは400人に満たなかったとか。
「その後、講和会議が開かれたんですが、その時にウチのカテリーナ王女様を嫁、つか人質として出すことになっちゃったんです。」
「えーと、それって……偽物だってバレたらタダでは済まないんじゃあ?」
「処刑されて三頭犬とかの餌にされると思います。」
ものすごくエグいことを彼女はあっさり言ってのけた。
「ご安心ください姫様!魔城にはこのハンナも一緒に参りますからっ!」
「安心出来るかぁっ!」
あたしの叫びがお風呂場に響いた。
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