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「良い良い、その娘が妾の身代わりとなってくれるのであろ?顔を見せてみよ?」
ガラスの板を引っ掻いたようなキーキーかん高い声で喋っているのがお姫様だろうか、顔を上げ初めて見たお姫様は何というか……とってもセンスが悪かった。
ぷっくり桜色の潤んだ唇に形の良い小鼻、大きな栗色の瞳を包み込む長いまつげ、つるんとした白い肌、まるでお人形さんみたいに小さく整った顔立ちと、金髪ツインテール。
胸元が大きく開いたビビッドピンクのドレスとぺったんこの胸を隠すようなゴテゴテした宝石の付いたネックレス、逆にそれは武器ですか?ってくらいのデカい宝石の付いた指輪……何処の成金ババァだよ?
あっけに取られた私が思った事と、お姫様の一言は偶然にも完全に一致した。
「全然似てない!」
その一言でナボじいの顔色がさあっと青ざめる。
どゆこと?
このジジイはたしかに言った。「姫様の身代わりだ」と。鎧を着ていた連中も「そっくりですな」とか言っていた……ちょっと待ってよ。
このアニメの世界から飛び出してきたようなステレオタイプのイタイ女の子と私がそっくり?これでも発行部数50万部のファッション誌ULEEEe!のモデルなのよ?
こんなセンスの欠片も感じられないようなサル娘と私がそっくり?
「魔王様は姫様の顔を知らないので大丈夫です」
えええええっ〜?
ナボじ!お前ソックリだったから星により選ばれたとか何とか言ってなかったっけ?
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