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触れられた場所から熱が広がり、胸の先を悪戯に口に含まれると、その熱さで思わず身体が跳ねた。
「…やぁ…ッ!」
あたしの反応を楽しむみたいに視線を合わせる嵐士は、にやりと八重歯を覗かせる。
「……あんまり大きい声出すと聞こえちゃうよ? 俺の部屋、壁薄いの知ってるでしょ?」
だから…ね?と長い指先をあたしの唇の前に立てる。
腕の自由を奪われているせいで、唇を噛むようにして声が零れないように押し殺すことしか出来ない。
再び熱い口内で弄ばれると、声が出せない分ふぅふぅと熱い息を吐くしかでいなくて、それが引き金になってなのか、身体に生まれる熱で汗がじんわりと浮かびあがる。
ゆっくりと指と舌で転がされると快感でじっとしていられなくなっていく。
これまでしてきた行為の中では感じたことのないその快感への戸惑いが、涙になって流れ落ちる。
「それ…や、だ…ぁ」
「いいの間違いじゃない?」
口に含みながら笑うと、今度は逃げられないように背中に手を回して固定すると、執拗にそこばかりを責め立てる。
そうされると身体を捩っても快感から逃げられず、体の奥に疼きが生まれていく。
身体は正直に快感を貪っていて、まるで自分の身体じゃないみたいで怖くなった。
「どうしたの? さっきから足すり合わせちゃって……」
無意識にしていた行為だけに、恥ずかしくて何も言えずに口を噤む。
大きな手で足を撫でられるだけでビクンと反応を示してしまう。
「こっちも触って欲しくなっちゃった?」
「ちが…!」
足の間に自分の足を挟み込んで閉じるのを阻止され、足を広げるように開かされ、あまりにもはしたない格好にさせられる。
恥ずかしさから、顔から火が出ているんじゃないかと疑うほど一気に熱くなった。
触れるか触れないか、際どい場所を指先が行ったり来たりしてあたしを弄ぶ。
「あ~あ、せっかくの綺麗な下着なのに汚れちゃったね」
耳元で熱い吐息を充てながら嘲笑う声に、首筋にゾクゾクが駆け下りていき、決してウブではないあたしはそれが発情からくるものだと自覚させられていく。
「……ねぇ、すごい音」
隙間から指を滑らせ、ぐちゅ…とひどく濡れた音をわざと立てるようにいじられ、更に羞恥心を煽る。それでも触れる指先はやっぱり優しくて、逃げるように腰を浮かせても、逃がすまいとさっきよりも足に体重を掛けられてしまうと簡単に捕まってしまった。
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