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――あと少しだったのに。
すぐそこまで来ていたはずの快感が止められると、体の奥がじんじんと疼いて止まらない。
「はは…、その顔たまんないなぁ…」
口元を腕で拭いながら熱い息を吐き出しながらこちらを見やる嵐士は、上体をあげると自身の服の裾に指をかけた。
「やっば…、俺めちゃくちゃ興奮してるわ」
スエットを少し乱暴にずり下げ、反り立つようにして露わにしたそれを当てがわれると身体は期待したように余計に濡れそぼる。
――ダメだ。これ以上したらもう戻れない。
「だ……め、嵐士…」
頭の中で鳴る警報が口をついて零れても、身体は拒否するどころかそれが欲しくて仕方ないと言わんばかりになっていく。
ーー友達じゃ、いられなくなる。
自分だけは”特別だ”ってそう思っていたものが、全部なくなる。そう分かっているのに…。
ドクドクと脈打つほどに滾った欲望が、熱く蕩けた窪みに埋まり始めると、それを待っていたかのようにすんなりと身体は受け入れて、ゆっくり、ゆっくりと奥まで侵され満たされていく。
まるではじめからひとつだったかのように隙間なく奥まで呑み込むと、ついさっき際限まで高められた身体に一気に電流のようなものが走り抜け、痙攣したみたいにヒクヒクと腰がうねって悶えるのを自分では止められなかった。
「あっは……まだ入れただけじゃん。そんなに中に欲しかった?」
少し顔を歪めながらもまだ余裕の笑みを浮かべる嵐士とは対照的に、あたしには余裕なんて微塵もなくて、少し動かれるだけで啼くことしか出来なくなっていた。
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