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「木綿子…好き」
お互いの吐息だけが静かな部屋に零れる。
奥までぴったりと差し込まれて、ぐちゃぐちゃに溶け合う熱。
耳元でずっと囁かれる「好き」の言葉で頭の中まで溶けていく。
「も……わかった、からぁ」
「だめ。まだ全然足りない……。こっち向いて……」
ずっと止まないキスと愛の言葉で、脳まで溶けていく。
「んっ……」
激しくされていないのに、身体はずっと震えて止まらない。
「好き。好きだよ」
低くて心地い声色で「好き」って言われる度に、中がきゅっと切なくなる。
「あ…らし……」
「ん?」
たまらなくなって、懇願するみたいに見つめると、今度はキスの雨が降って、もうまともに何も考えられなくなっていく。
頭の中も心の中も、嵐士のことでいっぱいになっていく。
――絶対に好きになってはいけない。
そう思っていたのに。
「好き…っ……嵐士ぃ」
解放された好きの気持ちは止まらなくて、これまでしてきたどの情事よりも熱くて溶けそうで、どんどん深くに堕ちていく。
「やっと聴けた……」
耳元で熱い息がこぼれるのを感じながら、深く、深く堕ちていく。
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