たまご

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 僕は、気づくと真っ暗な世界にいた。  「なんて、汚い卵なの」  僕が目を覚まして初めて聞いたセリフはそんな言葉だった。  「ハリーとジャックとミリアはこんなにも綺麗なのに。どうして、このだけこんなにみすぼらしいの?」  外から聞こえる少し高い声は、僕のことをと呼んでいた。  僕はそれを自分の名前だと思った。  この暗い世界はとても寒かった。けど、僕は自分の意思ではどうにも出来なかった。僕が唯一感じるのは時々世界の縁に触れる何かだけであった。
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