祖母

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小さい頃、私は祖母と暮らしていた。 共働きの父と母の代わりに、祖母が私を育ててくれた。 「ひぃちゃん。」 優しく私を呼ぶ祖母の声が蘇る。 ひよりだから ひぃちゃん。 それが私の呼び名だった。 祖母の名前は春子。 呼び名は…勿論、おばあちゃん。 「はるこ、ひより…二人合わせて小春日和だねぇ。」 そう言って笑う祖母。 二人とも四月生まれということもあり 大好きな祖母とお揃いの 暖かなイメージの名前が嬉しくて 私も小春日和だねって喜んでたっけ。 … お手玉、折り紙、あやとり 今の子達からすれば古臭いかもしれない。 それでも 祖母が一緒に遊んでくれることが 祖母がずっとそばにいてくれることが 何よりも嬉しかった。
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