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それから、祖母は桜餅を作らなくなった。
私が友人を家に呼ぶこともなくなった。
友人の家に入り浸り
夕食期に家に帰る。
自然と…というと言い訳になってしまうが
祖母との会話は極端に減ってしまった。
朝のいってらっしゃい
夕方のおかえりなさい
それ以外の日常会話でさえ
あの日を境に、小さなぎこちなさが生まれてしまった。
祖母が悪いわけではない。
悪いのは私。
全部、私。
そんな当たり前な答え合わせでさえ
小学生の何もわからない私は
後回しにしてしまっていた。
あの頃の祖母は
私に話しかける時
何を思っていたのだろう。
私のうまく笑えていない顔を見て
何を思っていたのだろう。
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