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a 壁をみる人
夜中に目が覚めた。過度のストレスにさらされ過ぎているのか、やけに眠りが浅い。
「2時か」
呟いた声が暗闇に吸い込まれて行く。喉の乾きを覚えて冷蔵庫へ歩き、ペットボトルの水を飲む。水道水が不味いのでペットボトルの水を買っているが、コスパを考えるといまいちなのかもしれない。
一度目が覚めてしまうと眠れなくなる。カーテンを引くと、暗い通りとコンビニの灯りが見えた。いっその事コンビニまで行って帰ればまた眠れるのではないかと思い、フリースを手に取る。1LDKを横切り、玄関を出た。
月の見えない夜空に灰色の雲が並ぶ様は、絵画みたいだ。コンビニで飲み物と菓子を購入し、外にでるとそれなりに肌寒い。三月上旬とは言え春はまだ遠いのかもしれない。
「寒い」
呟きながら前を見ると、ぼんやりと壁を見つめている人がいた。
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