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あれから突然声を掛けて来てカフェに行くことが数回あった。
考えてみたら、季節の変わり目ごとだったように思う。
そして先輩達が卒業する3月になった。
今年は桜の開花が記録的に早かったこともあって、大学の周りの桜並木は見事なまでに咲き誇っていた。
そんな時、バンビ先輩と偶然大学のロビーで会った。
今回は友達も一緒だったけど抜けて挨拶をした。
「御卒業ですね。おめでとうございます。お世話になりました」
一言だけ挨拶をしたかったのだけど
「ちょっと付き合ってくれる?」
そう言われて、私は友達にちょっと行ってくるとジェスチャーで伝えてから「はい……」と行って歩き出した。
「中庭の桜が満開ですから、椅子も空いているみたいだし中庭に行きますか?」
私がそう言うとバンビ先輩はちょっと困った顔をして「いや。いつものお店にちょっとだけいい?」
ああそうなのかと思って、いつもの店の方向に歩き出した。
店に着くなり「ごめん」と言われてちょっと驚く。
「僕、昔から桜が苦手なんだ……」
私はそれまで桜を嫌いな人に会ったことがなくて、びっくりしてしまった。
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