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「それから、えーと、何で僕が君を誘ったのか?だっけ?」
「はい」
「前にさ、池田京子と話しているときに、君が通り過ぎて行ったことがあったんだ。そうしたら池田があの子、あんなに大人しい顔して凄いんだって話し始めたんだよ。
なんでも、夏の合宿の時祠を一周してくるっていう肝試しがあったんだって?」
私はびっくりしてうなずいた。
「池田はすぐに背中に何やら霊みたいなのがついた気がして腰砕けになったんだって。そうしたら、君が"池田先輩何やってるんですか!"って言ってあの女子プロレスのような池田を引きずってゴールして優勝したんだってね」
あら〜今、違った意味で驚いた。
「池田先輩、霊のことは言って無かったですぅ……」
「あっ、そうだったのか?じゃあ、聞かなかったことにしてよ」
「それからもう一つ、君さ50人くらいでやった座布団取りゲームでも優勝したんだってね」
「私は優勝したにはしたんですけど、みんなが弱すぎたんです、信じてください。私は無罪です」
「あはは、無罪は良かったな。まぁ、そんなことがあっていつか君と話してみたいなと思ってたんだ」
私はそんなことを知られていたとは!と思ったら、恥ずかしくなった。
バンビ先輩とはその日が最後だった。
そのまま卒業して地元に戻って酒蔵を継いで頑張っているんだろうなと時々思っていた。
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