《214》

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「行こうか、清興」 三成は言った。吠えたわけではないが、大きな声が出た。 「決戦の時だ」  清興が笑い、頷いた時、間が真っ暗になり何も見えなくなった。蝋燭が燃え尽きたようだ。不吉な想いに心が支配されそうになる。それを振り払うように三成は腹に力を込めて雄叫びをあげた。勝つ。その想いだけが心を占めた。
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