友達の婚約者

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そんな自分に、真琴が一番戸惑っていた。 この気持ちは、誰にも知られないようにしなければならない。 古庄のあの笑顔の奥には、いつも静香を想う気持ちがあった。 だからきっと、あんなにも幸せそうな優しい表情ができるのだ。 静香も綺麗で素敵な女性だ。落ち着いた感じで仕事や家事もそつなくこなし、誰にでも優しく接してあげられる。 真琴は彼女に対して、憧れにも似た気持ちを持っていた。 古庄と静香にこの気持ちを知られて、二人の仲に水を差したくない。 何よりも、友人の静香を傷つけることだけは、絶対にできない――。 ……それが、一晩泣き明かした真琴の出した答えだった。 翌朝、真琴のまぶたは赤く腫れてしまい、泣き過ぎて寝不足のためか、鈍い頭痛に襲われていた。 それに、学校へ行けば否が応でも古庄に会わなければならない。今の状態で平静でいられる自信のなかった真琴は、その日『発熱』を理由に欠勤した。
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