第19話 日常の中の非日常

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「莉亜、また考えごとか?」 「え? あ、はい。陸くんを参考にして、どうかなって」 「莉亜ちゃんなら素敵なものを思いつけそうだけど」 「ネタ切れ感があるんだよな?」 「そうなんですよね。前にあげたものでもいいんですかね?」 「私はいいと思うわよ。長く使っていればくたびれてくるし、新しければその分機能性なんかもよくなるでしょうし」 「でも、そうなると前に使っていたものの扱いに困るんじゃないか?」  その話は前にもしたな。  エプロンがちょっとほつれてきてるって話になって、もらったものだから自分からは買い替えるつもりはないって、静子さんは言っていた。 「あげる側が今度からこっちを使ってって言えばいいんですよね。もらった側が気兼ねなく交換できるように」 「そうね。自分からは交換しづらいから、買ってくれた人がそう言ってくれれば安心ね」 「そうか。その発想はなかったな」 「そう考えると、周期的にバージョンアップさせる感じでもいいのかなって思えてきました」 「それでいいんじゃないかしら。毎年違うものって考えたら、何十種類も必要になってくるでしょうし」
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