第19話 日常の中の非日常

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「しかし、明後日に渡すとなると、早く準備したほうがいいんじゃないか。ネットで注文したって、明日までに届かないんじゃないか」  倉じいのこの発言で私は我に返る。  今は一人じゃないんだから、あれこれ考えるのはあとでにしよう。 「そうなんですよ。急いでもらうこともできなくはないんですけど、そんなにすぐに決められる気もしないんで、明日どこかに買いに行こうかなって思ってます」 「それなら、車を出してやろうか? 商店街じゃあんまり候補がないだろう」 「え、いいんですか? あからさまに催促しちゃった感じですけど」 「そんなの気にするな。使えるものはどんどん使ったらいい」 「それなら、私も便乗しちゃおうかしら。買い置きしておきたいものがあるのよね」  明日は水曜日だから、静子さんもちょうどお休みの日だ。  私だけのために車を出してもらうのは気が引けるけど、誰かが一緒なら少しは気も楽になる。
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