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「おぉ、結局花にしたのか。なかなかいい感じじゃないか」
「素敵ねぇ。きっと喜んでくれるわ」
倉じいと静子さんと合流すると、すぐに二人は笑顔でこう言ってくれた。
二人はこう言ってくれると思ってたけど、自分で決めたものがこうしてほめられるとやっぱり嬉しい。
「なんていうか、一目惚れでした」
「それくらい魅力的よ。やっぱりお花はいいわねぇ」
「しかし、それを持ったまま食料品売り場を回るのもなんだな。佐伯さんのそれも重そうだし、いったん車に戻るか」
「そうしてもらえると助かるわ。私はその間にお買い物を進めておくから」
静子さんがこう言ってくれたから、私は倉じいと一緒に車にお花を置きに行くことにした。
倉じいは自然な流れで静子さんから日用品が入った袋を受け取った。
「それでいくらくらいになるんだ?」
車に向かうまでの道なりで、倉じいにこう聞かれた。
私は車がどこにあるかわからないから、倉じいのほんの少し後ろを歩いている。
「三千三百円です」
これが高いのか安いのかはわからない。
母の日のカーネーションも似たようなものだったし、ギフトとしてちょうどいいくらいだと思っている。
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