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壁にもたれ、ぼんやりと何も無い空間を見つめ続ける。時計も無いから何分経ったかも分からない。目を閉じても当然ながら眠ることもできない。
……おーい。いつまでここにいりゃいいんだ。退屈過ぎて頭がおかしくなってきたぞ。
試しに頭を叩いたり、頬をつねってみた。やはり痛くなかった。
分かってはいたが、やっぱり夢だ。はぁ……。どうせならもっと楽しげな夢を見せてくれよ。
せめて話し相手がいれば気が紛れるのに。とは言え人間は無理。例え夢の中でも誰とも関わりたくない。かわいい動物……いやこの際植物でもいい。花や木でも見て気を紛らわしたい。
なんて頭の中でくだらないことを思っていると、
「うぷ!?」
突然、吐き気に襲われた。
な、なんだ? 喉の奥から何かが込み上げてくる。
「お゛えぇッ!」
口から排出された物体が、白い床に落下。それもまた白かったので、四つん這いになってまじまじと見ないと何か判らならなかった。
これは………………たまご?
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