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時間は無限 ※
「あ゙ぁ…………っ! きょ……っ、だ……っ」
放心気味の壱成を抱き込んで横になり、俺は下から突き上げるように腰を動かした。たぶん壱成は「だめだ」と言いたかったんだろうが言葉が続かない。
「壱成っ。あとでちゃんと謝るからっ。許してっ。愛してる……っ」
怒られて止められる覚悟だったが、壱成は軽く意識が飛んでいて俺を止めることもできないようだった。
「あ゙ぁ……っっ!!」
震える身体で俺の首にしがみつく。
壱成の中は、ずっと痙攣していてぎゅっと締まってる。たぶんずっとドライでイッてる状態なんだろう。
ドライなんて、知ってはいたけど実際に見るのは初めてだ。
壱成の中、やばい。こんなの知らない。もう持っていかれそう。
気持ちよさそうにとろけきってる壱成を見て、俺の気持ちよさも倍増する。
「ぅ……っ、壱成……っ、気持ちいっ」
「……っ、きょぉ……、ぁ゙っ……」
やべぇ、舌まわってねぇ。可愛すぎて心臓痛いっ。
壱成を片手で支えて腰を動かしながら、ときどきグッと奥を突く。
「ぁあ゙っ、……っん……」
「壱成……大丈夫?」
「……だい……、っぁ……」
返事をしようとしたが声が出ない、そんな感じで壱成は首を縦に振った。
「きょ……、ぁ…………きょぉ……」
いつも以上に声が可愛い。小さく控えめなかすれた喘ぎ声とまわらない舌で、俺の名を何度もくり返す。
やばい……可愛い……もうもたねぇ……っ。
「ぅあ……っ、やば……っ。壱成っ、中に出していい……っ?」
壱成は首を可愛く数回縦に振る。
「ん……っ、きょぉ……っ、ぁっ……」
「壱成…………っ、壱成っ、…………く……ぅっ!」
ドクドクと、壱成の中で俺は果てた。
壱成の中は気持ちよすぎるし、初めて“京”で抱いたという高揚感と、とろけきった可愛い壱成と、もう色々やばい。最高すぎる。
俺が果てたあとも壱成の中はまだ痙攣していた。
「……壱成、大丈夫か?」
「……ん…………」
優しく背中を撫でると、壱成は荒い呼吸をくり返しながら俺の首元にすり寄った。
「……きょぉ……」
「ん?」
「……きょぉ、……あい……してる……。きょぉ……」
必死で舌をまわして伝えられたその言葉に、ぐっと喉の奥が熱くなって涙が込み上げた。
「俺のほうがもっと愛してるよ……壱成」
本当に幸せすぎて死にそうだ。
やっと壱成が自分のものになったと実感できた気がする。
抱きしめる腕に力を込めると壱成もぎゅっと抱きついてきて、さらに幸福感で胸がいっぱいになった。
壱成の中が気持ちよすぎてまた大きくなりそうで、俺は慌てて中から俺のものを引き抜いた。これ以上やったら壱成を壊しそうで怖い。
「……あ、……ん……」
壱成の切なげな声に反応しそうになる。
やべぇ……もうほんと、最高に可愛い……壱成。愛してる……。
まだ動けそうにない壱成の背中を優しく撫で続けると、やがて壱成がそっと顔を上げた。
「大丈夫か?」
壱成は何も言わず、甘えるように俺に口付けをした。
抱き合うときの激しいキスとは違う、ゆっくりと優しく俺自身が溶けていくような甘いキス。
まだ身体に力が入らないようで、少しすると唇を離し、また倒れ込むように俺の首に抱きついた。そして、また少しすると顔を上げ、俺に甘いキスをくれた。
「ん……きょう……。きょう……」
「壱成、可愛い」
何度も俺の名を呼ぶ壱成が本当に愛おしい。
きっと“京”と呼べることが幸せだと感じてくれている。それが伝わってくるから俺も一緒に幸せになれた。
すると、突然キスがピタリと止まって、壱成がハッとしたように唇を離す。
「きょうっ、背中は……っ」
「え? ああ、全然大丈夫。痛くねぇよ」
「う、腕は……?」
「それも大丈夫だって。俺は大丈夫」
「……本当に?」
「本当に。ぜんっぜん大丈夫。それよか、壱成のおかげでもっと元気になった」
俺がニッと笑うと、壱成は頬を少し染めてから息をついた。
「よかった……」
心底安堵したというようにそうつぶやいて、俺の上から下りようとする。そんな壱成を俺はふたたび抱きしめた。
「京……っ」
「まだいいじゃん。俺大丈夫だって。もう少しこのままでいよ?」
「でも……っ」
「全然痛くねぇし、苦しくねぇから。な?」
「……本当に、大丈夫なのか?」
「本当だって。もぉ、しつこいっ」
意地でも離してやらない。そう思ってぎゅっと抱きしめる。
すると、壱成は諦めたのか、俺に身をまかせるように身体の力を抜いた。
「壱成、まだ出してねぇけど……」
「……出さなくていい。まだふわふわして気持ちいいんだ。このままでいたい」
そっか、まだ気持ちいいのか。ドライってすげぇな。
壱成は俺の首元にスリスリと甘える。そして、首や耳、頬に甘えるように何度もキスをした。
「京……」
「うん」
「京……」
「ん」
「本当に……京なんだな……」
「本当に京だよ」
「もう……ずっと京なんだな」
「ん、もうずっと京だよ」
「…………夢みたいだ」
喉から絞り出したような壱成の声と、鼻をすする音。
「お前が京だって気づいてから……ずっと夢だった。こうして京に抱かれるのを何度も夢みてた……」
「壱成……っ」
「もう……夢じゃないんだな……」
「夢じゃねぇよ。もうずっと京だから。ずっと俺だから」
「……幸せすぎて……怖いな」
「……なぁ、ほんと、いつから俺だって気づいてた?」
壱成は、鼻をすすりながら小さく笑った。
「いつだろうな?」
「もぉマジ教えろよ」
「ちゃんと思い出してみろ。わかるよきっと」
「ええ?」
楽しそうに笑う壱成に、俺はすねながらも嬉しくなった。
壱成が笑ってくれるとそれだけで嬉しい。俺が壱成を笑わせているということが幸せだ。
もうずっとこうして壱成と一緒にいられる。本当に俺は幸せ者だ。
時間は無限にある。壱成がいつから俺だと気づいていたのか、ゆっくり思い出して考えてみよう。
答え合わせが今から楽しみだ。
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