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「まっすぐにー、あるくと……」
「痛いでつ!もうやめて欲しいでつ!」と立ち上がる束砂しゃんは涙目!
みんながざわつき、束砂しゃんはしっかりジョンしゃんの後ろに隠れ、シクシク。
何とか予選は終わり、自分たちのクラスはほかの班の子が出ることに決まったのですぐにみんなのところに行くと、束砂しゃんのおてては真っ赤。
「取ろうとすると……手を叩かれたりつねられますた。うわーーーん」
「どの子?」
「ワチの前にいた子達……男の子たちでつ。ぐす。ワチ……つねってきまつ!」
「ダメダメ。ちょっと待ってなさい」
ジョンしゃんと狼歩しゃんが楽しく会話している男の子たちにそっと近づくと、「あいつ見つけるの早いから邪魔したらすぐ取れてラッキー」「まさか泣くと思わなかったけどな!」「弱虫だし!」
それを聞いた狼歩しゃんが動くより早く、「そこの三人、立ちなさい」と静かに言うジョンしゃんがちと怖い。
「なんじゃなんじゃ?束ちゃんないておったし大きな声出していたが」
「この三人につねられたり、叩かれたりして手が腫れてます。保健室に連れて行っても良いですよね?」
「もちろんじゃ!お前たち、この前散々怒られたばかりじゃろうに!」
「この3人の親御さんと話を」
「大佐が出てきたら親も困るじゃろう?」
「カルロス元帥から、警護も頼まれてますので!」
「ジョンは昔から頑固じゃからのぉ。儂の部屋に来て貰おうかの。先に保健室じゃ」
みんなで保健室に行くと、ばあちゃん先生が「あらあら、つねられたの。そうね、真ん中は青くなると思うけど、叩かれたところは冷やしておけば大丈夫ですよ。この前の指はどう?」
「わ、ワチ、指は平気でつけど……ちゃんとかるたをしてますた。なのに……」
「えーと、お父さんは?あなたね?この前も来てたし。お風呂とかも大丈夫ですよ。熱も出ないと思いますけどね、こんなに泣いて興奮しちゃったから、帰ったら少し寝かせてあげるといいわ」
「分かりました」
「そうそう、食事はスプーンのがいいわね。お箸は今日は痛いかもしれないから」
「そうします。ありがとうございました」
「せんせー、なんでみんないじわるするでちゅか?束砂しゃん何も悪いことしてまちぇん」
「そうね、でもね、きっと仲良くできる日が来ますよ。前も言ったように、いつでもここに来ていいですからね」
「はいでつ……」
「今から理事長室に行くので失礼します」
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