その2

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その2

博「ハンスくん、ハンスくん!」 助「なんですか、博士。僕は、だし巻き玉子で手が離せ……」 博「あのガチョウを品種改良したのだ!」 助「ああ……金を食わせなきゃ、至って普通の」 博「今度はな、金色の羽を持ったヒナが生まれるのだよ!」 助「それは、凄い!! 成長したら、卵なんかより大きくなるから……今度こそ、一攫千金ですね!」 博「では、早速、卵を生ませよう」 助「餌は……」 博「もちろん、金じゃ」 助「ああ……そこは一緒か」  ――コロン 助「卵は白いんですね」 博「うむ。生まれてビックリ~という訳じゃ」 助「それじゃ、孵卵器に入れておきましょう。楽しみだなぁ!」  ――1ヶ月後。 博「ハンスくん、そろそろじゃな!」 助「そろそろですね、博士!」 博「あっ、ヒビが……嘴が見えるぞ!」 助「あっ、生まれた……! やったぁ、全身の羽毛が金色に光っているぅ!」  ――半月後。 助「博士、大変です!!」 博「なんだね、ハンスくん」 助「あのヒナが……ヒナが……白くなっちゃいました!!」 博「やはり、まだ最初の羽毛しか特徴が出ないか……」 助「これじゃ、卵のときより金量が少ないですよ?」 博「ううむ……改良の余地があるなぁ」 助「せめて回収率をあげてくださいっ!」
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