12人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
その2
博「ハンスくん、ハンスくん!」
助「なんですか、博士。僕は、だし巻き玉子で手が離せ……」
博「あのガチョウを品種改良したのだ!」
助「ああ……金を食わせなきゃ、至って普通の」
博「今度はな、金色の羽を持ったヒナが生まれるのだよ!」
助「それは、凄い!! 成長したら、卵なんかより大きくなるから……今度こそ、一攫千金ですね!」
博「では、早速、卵を生ませよう」
助「餌は……」
博「もちろん、金じゃ」
助「ああ……そこは一緒か」
――コロン
助「卵は白いんですね」
博「うむ。生まれてビックリ~という訳じゃ」
助「それじゃ、孵卵器に入れておきましょう。楽しみだなぁ!」
――1ヶ月後。
博「ハンスくん、そろそろじゃな!」
助「そろそろですね、博士!」
博「あっ、ヒビが……嘴が見えるぞ!」
助「あっ、生まれた……! やったぁ、全身の羽毛が金色に光っているぅ!」
――半月後。
助「博士、大変です!!」
博「なんだね、ハンスくん」
助「あのヒナが……ヒナが……白くなっちゃいました!!」
博「やはり、まだ最初の羽毛しか特徴が出ないか……」
助「これじゃ、卵のときより金量が少ないですよ?」
博「ううむ……改良の余地があるなぁ」
助「せめて回収率をあげてくださいっ!」
最初のコメントを投稿しよう!