日常

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日常

「………なぁ。………今度の土曜日、久し振りに映画でも観に行かない?」 ………或る年の中学二年生の夏。学校の授業も終わって、放課後、帰り支度をしていると、初めて出来た彼氏の堤健太からデートの誘いを受けた。 私の名前は、設楽サクラ。 私の暮らす町は、銀河の果てに位置していると言われているラグナ星に広がっているアメリア大陸の南端で栄えている町、……エルドア。 エルドアの町。……その町は、元々は工業の盛んな町だったのだけれど、最近ではサービス産業でも賑わう様になって、至る場所にはショッピングモールが建ち並ぶ時代に変わって来たみたい。 私がその町に開設されているユニバーシティ学園の中等部に通い始めて、2年が過ぎようとしている。その日は、これから夏休みを迎えようとしている前日。終業式の日だったんだよネ。 「………う〜ん。映画も良いんだけど、今日は私、カラOKって気分なんだよネェ。………それって、ダメ?」
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