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おはようのとき
おやすみなさいのとき
いってらっしゃいのとき
おかえりなさいのとき
私が両腕を広げると、
何も言わなくても
君は胸に顔をうずめてくる。
鼻をくすぐる柔らかい髪を撫でていると
だんだん二人の呼吸が一つになっていく。
二人の体温が混じって溶けて
境界線がグラデーションになるころ
もう大丈夫だよ って、
君はちょっとだけ笑うんだ。
ふいに行き場を失った両腕を抱え
君を引き寄せることもできない私は
少しだけ…
少しだけさみしくなるんだ。
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