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僕はこの湧き上がるモヤモヤを卵にぶつける。
「あなたはその……自分を守るため、こんな早い時間に通勤していらっしゃるのですか？」
卵は我が意を得たりとばかりに一つ手を叩いた。
「ご明察だな、そのとおりだよ！ ピーク時の混雑はまさに殺人的だからね。私はこの時間に電車に乗り、会社の前の喫茶店でダージリンティーとタマゴサンドを食べてから出社することをルーティンとしているんだ。時間の余裕はそのまま心の余裕に繋がるからね」
朝から共食いだと？ 通勤ラッシュに揉まれて割れる卵よりもシュールな映像だ。
僕の戸惑いを察知したのか、卵はピクリと眉を吊り上げる。
「あっいや、その、失礼しました」
しかし、どうしたものか。僕の好奇心はとどまるところを知らない。
「あの、あなたはその……やっぱり物理的な衝撃に弱いんですか？」
僕の問いかけに卵は少し驚いてみせた。
「私を誰だと思っているんだい？」
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