疑問

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自分の部屋で1人、机の前の座り心地がそこそこの椅子に だらりと持たれかかっていた。 今日が今まで遅れていた分の取り返しだと思えるほどの充実さだ。 おかげで身体が重い。 だが、不思議と不快感はなく、少し喜びを感じた。 コンコンとノックが聞こえた。 タイミング的に、零無だろう。 俺は重くなった身体を動かし、扉を開ける。 「ごめん邪魔でした?」少し申し訳なさそうに言う。 「いや大丈夫だ、それにしてもどうした? お前が急に来るなんて。何かあったか?」 「いや、違う…。ただ少し暇になっちゃって。」 零無の部屋はベッドなど最低限の物しかない。 それでは勿論つまらないだろうし、暇になるだろう。 俺も妹に夕食の用意をしてもらっている身なので、 こんなことは妹に言えないが、待っているのは俺も退屈していた。 「ならゲームするか?」「え、ゲーム?したい!」 ということで俺の部屋で一緒にゲームをすることにした。 まずは、操作方法の説明のための1人用のゲームから始めた。 最初こそ苦戦したものの、零無は1回教えると どんどん上達していくので教えがいがあるし、見応えがある。 このゲームをしている時間はとても楽しく思えた。 そういえば、青春したい、したい言ってたが、 気づいてないうちに青春出来ていた…?いや、そんなわけないか。 そう思い直し、零無がやっているのゲームの方を見る。 もうさっきやっていたステージではなく、2,3ステージも進んでいた。 少し喉が乾いたので、飲み物いるか?と思ったが、 すごく真剣にやっているので声かけるのも申し訳ないと思い、 邪魔にならないようにそっと部屋から出た。 いや、それにしても零無ゲーム上手かったな。 
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