第一話

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 自宅のマンション。玄関で心配気な母の涼子が出迎えてくれた。 「今日はどうだった?」 「うん、続けて行けそうだよ」  スニーカーを脱ぎ、やっとマスクを外せた。 「それは良かった。今日はアナタの好きなクリームシチューよ」 「わ、嬉しい」  ダイニングに入るとシチューの香りが鼻孔をくすぐった。  19時を過ぎて、父の竜一が帰ってくる。  三人で食卓を囲む。  父は寡黙な人だが、私の事になると多弁になるというか、子煩悩というか。
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