第三話

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 ここで4番の宇田川君に回る。  中三の宇田川君は青空では寡黙で、あまり話したことがなかった。  野球の技術はチーム1の実力者だ。  1球目、内のスライダーが高目に浮く。  ボールを弾くバコッという音を残して、ライトの頭を越えていった。  蕨さんも僕もホームに帰ってくる。  打った宇田川君は三塁へ。  2対0、ハイロウズ先制。  技ありの一打だった。  5番野原さんがセンターフライ、6番大塚君はフルカウントから空振り三振。  1回裏が終わった。
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