第三話

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 5球目、速いストレートが来た。  バスターからスイングする。  当たったけど、詰まってしまう。  ショートの前にボテボテの打球が転がった。  ランナーは一斉にスタートしている。  ショートは捕球し、セカンドへ。  セカンドはアウト。ファーストへ転送。  尾形さんは足が速い。  一塁のタイミングは同時だった。  塁審の手が横に広がった。 「セーフ!」 「やった!」  いつもクールな尾形さんが嬉しそうに顔をほころばせている。 ーー8対1になった。
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