ハイロウズ物語〜フリースクールの草野球チーム〜

第四話

　センターの頭を越えた。

　片岡君は二塁を周る。

　宇田川君は一塁を大きく周った。

　片岡君が三塁を周るところで足がもつれた。

　片膝を付いてしまう。

　外野から強い返球が来た。

　サードが慌てて帰塁した片岡君にタッチした。

「アウトーッ！」

　あーっとハイロウズベンチからため息に似た声がもれた。

「ドンマイドンマイ！切り替えて行きましょう!!」

　黒野さんがにこやかに手を叩く。

　惜しい攻めだった……。