22人が本棚に入れています
本棚に追加
/300ページ
青空に帰ってきてナギサと一息ついていた。
勉強をするも中々手がつかない。
それはナギサも同じだった。
「私、思ったんだけど、不登校ってめちゃくちゃ深刻じゃないかって。もちろん私の事ね」
自分を指差して言う。
「私はさ……この顔の事でイジメられてさ」
ナギサは整った浅黒い顔立ち。
「私のお母さん、フィリピン人でさ。女手一つで私の事育ててくれて。この顔には誇り持ってんだ。だからイジメられた時も最初はがまんしていたけど、爆発しちゃって。ケンカしちゃったら行きづらくなってさ」
いつも明るいナギサが萎んで見える。
「ごめん、変な話しちゃったね」
「ううん……」
私もつられて気落ちする。
「いいのいいの後悔してないし」
それよりもと前置きし、「土曜はハイロウズの試合もあるし楽しみだねぇ」と話題を切り替えた。
「そうだね。楽しまないと」
我に返ったように返事をした。
最初のコメントを投稿しよう!