第四話

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 1球目のサインはストレート。  真ん中低目に構えている。  1球目を投げたーー。  真ん中に行ったボールをスイングされた。  鋭いゴロが二遊間に転がっていく。  蕨さんが横っ飛びを見せた。  グラブに収まる。  素早い動きで起き上がり一塁へ送球。  ワンバンで大塚君のミットに吸い込まれた。  間一髪アウト。  ビッグプレーに両ベンチから称賛の声が上がった。 「ナイキャ!」  俺もマウンドから目を輝かせて言った。  この皆で野球をやっている感じ。  この感じが求めていた“モノ”かもしれない。
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