第五話

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 1番蕨さんが一振りしてから打席に入った。  気合いが入っているのが分かる。  2球で1-1。  3球目、浮き上がるスライダーにスイングすると、一塁側へ強いファールになった。  4球目、低目のスクリューにバットが止まった。  2-2。  いい感じでタイミングが取れている。  5球目、スローカーブを見逃し、フルカウントになる。  6球目、7球目とファールが続く。  8球目、ストレートがアウトローに決まる。  見極めていた。 「ボール、フォア!」  球審のコールに、蕨さんが笑顔で一塁へ駆ける。  ワンアウト、一二塁に変わる。
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